対処方法の種類

カウンセラーが取れる対処方法は、一般に次のようなものが挙げられます。

  • リファー
  • ケースワーク
  • スーパービジョン
  • コンサルテーション
  • 具申
  • パーソナリティ・カウンセリング

それぞれ解説していきましょう。

 

リファー

リファーとは、他の人・機関に依頼するという意味です。これは、自分の得意分野・専門分野でないクライアントが相談に来た場合や、精神疾患が疑われる場合などより高度な治療を必要とするクライアントが来た場合などに行います。

カウンセラーとしては、自分を頼って相談してくれているのだから自分が責任をもってカウンセリングしたい、という気持ちになりがちですが、

本来の目的はクライアントにとってためになる方法を取ることです。

したがって、自分が知識や処置方法に詳しくない領域にカウンセリングが入る場合は、プロフェッショナルとして最も適切な人にリファーする責任があります。

特にクライアントが強い自殺願望を持っている場合、精神疾患の兆候が見られる場合などは、医師などの高度な専門家に迅速にリファーしましょう。

また、専門外の場合も積極的にリファーしましょう。自分が学校カウンセラーであるときに、キャリアの相談に訪れたクライアントにはキャリア・カウンセリングを専門にしているカウンセラーを紹介することが望ましいなどの場合です。

リファーを行う際は、たらい回しにされている印象をクライアントに与えないように、しっかりと説明した上で紹介するよう心がけましょう。

 

ケースワーク

ケースワークとは、クライアント周囲の環境を変えるように助言することです。

住む場所を変える・付き合う相手を変える・仕事を変える、などの具体的な環境を変化させることで、劇的な効果が見込めることがあります。旅行なども大きなきっかけになりうる環境の変化です。

ここまで大きな変化でなくても、部屋のインテリアを変える・服装を変えるなどの小さな変化でも効果があることもあります。また、クライアントではなくクライアントの周囲の人物に働きかけて、クライアント周辺の環境を変えることもあります。

さらに最も介入が深いパターンとしては、クライアントにとっての理想の住環境を探すために場所探しを手伝うなど、カウンセラーが直接環境の変化を手伝うケースもあります。

これらの方法は大きな効果をもたらす可能性がある反面、リスクも伴います。環境の変化が大きいほど悪化する可能性もありますし、変化させること自体に心理的・経済的負担を強いてしまう可能性があります。

ケースワークを行う際は安易に行うことなく、問題点を正確に把握し慎重に行う必要があります。