感情交流のパターンには以下のようなものがあります。そのうち最も危険な「ゲーム」という感情交流のパターンについては、別途ゲーム分析という形で、自分がどんなゲームを行っているか、巻き込まれているかを自覚することで、適切な感情交流パターンに向かうことを目指します。
交流分析を行う際には、まずクライアントがそれぞれどのような交流パターンになっているか把握する必要があります。
人間関係行動のパターン
ゲーム以外に、人間関係行動には以下のようなパターンがあると考えられます。
- ひきこもり
- 儀式
- 活動
- ひまつぶし
- ゲーム
- 親交
ひきこもり
P・A・Cの働きに関わらず、外界との接触を断ちがちなパターンです。これは物理的にひきこもっている場合にとどまらず、社会に出ていても全ての社交行事を断って自分の世界に入っている人なども該当します。
交流分析では交流パターンを元にクライアントの心理・行動を探り適切な対処を行っていくので、この引きこもりパターンでは分析も対処もできないことから、好ましくない状態と考えられます。
儀式
役割にそった交流パターンです。上司と部下、先生と生徒といった役割に与えられた交流のみを行い、個人的・感情的な交流をしない状態です。
役割に沿うだけでよいため心理的ストレスが少ない点が特徴ですが、このパターンが過剰になっていないか気をつける必要があります。
活動
個々人の趣味、仕事などしたいことや形式的ではない、外界と関わる創造的な行動のことを指します。創造性が発揮でき人間らしく生きる事ができるよい行動パターンだと考えられますが、これ一辺倒になることにも要注意です。
ひまつぶし
無駄話や付き合いで行く遊びなどが該当します。一般的な意味とほぼ同じです。
ゲーム
ゲームとは、前項で説明した交差的裏面交流のことを指します。
本当は好かれたいのにわざと嫌われるような行動を取ってしまう、冷静に対処したいのに意味もなくわめいてしまう、など本心と異なる定型パターンにはまってしまうことを言います。
わかっているのにいつも同じパターンにはまって失敗してしまう、という類のもので、ゲームを引き起こす側だけでなくゲームに巻き込まれる側も本心とは異なる行動を誘発されることから交差的裏面交流に陥ります。
ゲームの中でも様々な種類があるとされ、ゲームの程度も様々です。詳しくは次項で説明します。
親交
互いに自由に感情を交わせる人間関係です。実存主義的なリレーションが築かれた状態と言えます。交流分析が理想とする状態です。
交流分析を活用したカウンセリング
このように、交流分析では人との関わり方のパターンを元に性格を分析していき、対処を考えていきます。
交流分析を使ったカウンセリングでは、エゴグラムを活用しながらP・A・Cのパターンを知り、また人間関係行動のパターンを知って、自らが行いがちなゲームについて自覚していくことで、現実に対処していくことを目指します。
原則として、交流分析を活用したカウンセリングではクライアントが自律心を持っており、無意識のパターンを意識化していけばそれに応じた対処はできるということを原則としています。そのため、行動療法のように対処法それぞれについてはあまり考慮していません。
交流のパターンを分析し、はまりやすいスタイルを知るという点は非常に実用的で発見がある方法なので、同じパターンで苦労しているクライアントに活用するといい効果が得られるかもしれません。