ゲーム分析

上記の人間関係パターンの中でも、特に問題を生みやすい「ゲーム(※)」について分析するのがゲーム分析です。
(※相手を自分の都合の良いように操作・利用しようとして、不快で不毛なやりとりをくり返し、後味の悪いの終わり方をする話術のパターン・概念)

ゲームの中でもよく見られるパターンとして、以下のようなものがあります。これらのパターンを知っておくことで、クライアントがどのようなゲームに陥っているかを的確に指摘しやすくなります。

はい、でも

アドバイスを自分から求めながら、相手の発言全てを否定もしくは拒絶することによって、アドバイスした側がうんざりしてしまい、結果として嫌われてしまう、というようなパターンです。

はい、でも の例

はい、でも の例

キック・ミー(私を嫌って)

わざと挑発的な言動をすることで否定的なストロークを受け取ろうとします。自分に対する自信がないため、その自己概念を強化するかのように嫌われる行動をとってしまうと考えられています。

キック・ミーの例

キック・ミーの例

仲間割れ

周囲の人間関係が悪くなるように工作することで、「人間なんて信用できない」というような自分の信念を強化するような行動を取ります。そのような環境にいることで平常時に比べてもなんらかのストロークを得ることができるとも考えられます。

あなたのせい

どんなことでも全てを周囲・他人の責任としてなすりつけることで、一時的に自分を守ろうとするゲームです。結果的にはこのような行動をすると嫌われてしまいます。

大騒ぎ

いわゆる不幸自慢に該当するもので、こんなに自分はひどい状況にいるんだ、ということをアピールして他人の同情や関心を引こうとします。

大騒ぎ の例

大騒ぎ の例

あら探し

他人のささいなミスや欠点を執拗に指摘することによって、他人は間違っていて自分は正しい、として存在を確認しようとするゲームです。結果的に嫌われてしまうことが多くなります。

苦労性

無理にキャパシティを超える問題や仕事を抱え込むことによって、必要以上に自分を追い込んだ結果、体や精神を壊してしまうというゲームです。

このように、無自覚のうちに最終的によくない結果を生むにも関わらずやめられないゲームがたくさん存在します。

明らかに否定的ストロークしか得られないような行動もあり、幼少期の出来事など過去の事象が影響しているケースも多くあります。

交流分析ではクライアントが自分が行ってしまっているゲームについて自覚することが大切ですから、そのゲームがいかに弊害を及ぼしているのかを納得してもらう必要があります。必要なら原因にも踏み込み、自覚と改善を援助できるように努めましょう。

章末確認問題

この章で学んだことを理解できているか、練習問題で確認しましょう。

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