行動カウンセリングと活用

行動療法よりも治療的側面が弱く、主にカウンセリングに利用する手法です。

前項で見たように行動療法では既に非常に強い条件づけがなされていることが前提であり、特別強い恐怖や反応がない場合には適用しづらい考え方です。

行動カウンセリングは教育の場面で多く活用されます。また、行動カウンセリングは主にオペラント条件づけを主としていることも特徴です。

 

構成・強化法

解決したい問題の原因をカウンセリングによって探り、その原因解決を目標とします。その大きな目標を達成しやすい要素に分解し、小目標がどれだけ達成できたかをクライアントにレポートにまとめていってもらう方法です。

解決しやすい目標にすることで、快感情を味わうことで学習するという考え方に基づいています。

 

モデル提示法

人間は周囲の反応を見て自分の行動を決める側面があります。周囲が美味しそうに食べるものは自分もおいしそうに感じる、といった具合です。

この模倣をする特性を利用してカウンセリングに生かすのがモデル提示法です。

例えばニンジン嫌いの子供に、大勢の子供たちがニンジンをとても美味しそうに食べる映像を見せていく、などの方法です。

映像や直接のインストラクション、音声や模擬練習を利用するケースなど様々ですが、模倣の特性を使うという原理は同じです。

 

行動主義のポイント

当初の定義の通り、行動主義はこれまで見てきた中でもかなり異質な理論だったと思います。ある意味対処療法的なやり方であり、動物を操作するがごとく処置を行っていくような印象もあるかもしれません。

カウンセリングに限らず一般的な社会でも多く使われているような手法も多く、また即効性が見込める内容が多いので非常に実用的な側面もあります。

行動主義では行動のみを変容させるため、人格は変わらないため根本原因は治らないとする考え方もありますが、クライアントにとって治したいことが明確にある場合、一つの苦手を克服することで他の行動にも大きな影響を与えるケースも多いはずです。

対処法にフォーカスしているという点で、精神分析や自己理論とは根本的に別物なので、併用することも可能です。対処が必要な際には、行動主義の考え方を参考にクライアントと向き合うことも頭に入れておくとよいでしょう。

 

章末確認問題

この章で学んだことを理解できているか、練習問題で確認しましょう。

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