オペラント条件づけに基づく行動療法

オペラント条件づけとは、報酬が欲しいために行動をする、という馬の前にニンジンをぶらさげるというような考え方です。

これを行動療法に使う場合は、報酬を作り出すことが必要です。

強化法

オペラント条件づけを利用した最も単純な方法で、望ましい行動をした場合に即座に報酬(ほめ言葉、食事)などを与えることです。この方法のポイントは行動したら即与えることと、特定の行動をした際に必ず与えるわけではないようにすることです。

 

思考停止法

恐怖の対象になる考えが出てきたら、それ以上考えないようにすることを訓練する方法です。

暗い道を歩くと襲われる、という恐怖に取り付かれているクライアントに、夜道を歩いていることを想像させて少しでも恐怖が出たら、すぐに思考を止める、という練習です。カウンセラーと二人三脚で行います。

直接報酬を与えるのではないのでわかりにくいかもしれませんが、思考を停止することによって不快な感情を回避することができる、ということが報酬であると捉えると理解しやすいでしょう。

 

嫌悪療法

強化法の逆で、推奨すべき行動をした際に報酬を与えるのではなく、やってはいけないことをした場合に罰を与える、というやり方です。

禁煙したいのにできない人に対し、タバコを吸った瞬間に痛みを与えることでタバコを嫌いにさせるというような方法です。

 

消去法

これは既に定着した報酬を得るための行動パターンが適切でない、治したいという場合に使われます。元々何か目の前の報酬が得られるようになったために定着した行動なら、同じ行動をしても報酬が出ないようになればパターンが消える、という考え方です。

例えば悪いいたずらをすることによって周囲の人の関心を集めることができると思い、いたずらを繰り返すようになっている人に対し、いたずらをしても一切反応せずに無視する対応をカウンセラーが取ります。これによって、報酬が得られないと知り興味がなくなれば行動も消えると考えます。