コンプレックスとは、怒りや悲しみなどの強い感情が無意識の中に固定化されている、感情の集合体のことを言います。
一般語ではコンプレックス=劣等感のように使われることも多くありますが、精神分析の中でいうコンプレックスとはそのような劣等感(劣等コンプレックス)も含んだ広い意味での感情を指します。
コンプレックスの原因そのものを取り除くことはできないため、コンプレックスに対してどのような反応をしがちであるかを分析することで無意識の意識化という精神分析の基本を遂行し、適応するための的確なリアクションに導いていくことが精神分析的なカウンセリングの目的と言えます。
コンプレックスは誰もが持っているものであり、そのものは悪いものではありません。コンプレックスが刺激された場合の反応を社会適合的にしていくことが望まれます。
主なコンプレックスの種類
- エディプス・コンプレックス・・・子供が異性の親に対して過剰な愛着を持つ心理。
- カイン・コンプレックス・・・親の愛情を受けられなかったときに、他の兄弟に対して持つ憎しみや劣等感を持つ心理
- ダイアナ・コンプレックス・・・女性が女性性を否定して、男性のようになりたいと思う心理
- 劣等コンプレックス・・・一般的な意味で使われるコンプレックス。人は誰しも劣等感情を持っているので、これが極端になった場合の心理をこう呼ぶ。
- スペクタキュラ・コンプレックス・・・女性の体を見たい男性、男性に自分の体を見せたい女性の、極端に強い心理