役割関係をこなすコミュニケーションスキル

役割関係をこなすために必要なコミュニケーションスキルは、伝えたい事柄を的確に伝える力です。

役割関係ではそれぞれに遂行しなければならない目的があります。したがって相手に自分が意図した通りの行動や反応を返してもらうために、正確で誤解のないコミュニケーションが必要になります。

役割関係スキル

役割関係をこなすために必要なコミュニケーションスキルは、さらに分解すると以下のようになります。

理解力把握スキル

相手が対象となる事柄について何をどの程度知っているか、理解しているかを推測・把握する力です。

例えばあなたがスポーツカーのセールスマンだったとして、顧客があなたが売ろうとする車について何を知っていて何を知らないかを考えるということです。あまり車に興味がない顧客にいかにその車のエンジンが素晴らしいかを回転数・トルクなど専門用語を駆使して説いても伝わらないのは、相手が車の専門家ではないということを把握できていないから、と言えるでしょう。

相手の状況や身振りなどから、相手がどこまで理解しているかを推測するということが必要です。

もしエンジンが売りな車を車に詳しくない顧客に売る場合は、相手がエンジンについて理解していないということを前提にし、たとえ話などを活用してわかりやすく伝える必要があります。これは理解力による表現の調整を行ったということです。これも理解力把握スキルに含まれます。

カウンセリング会話5

 

論理的思考力

いわゆるロジカルシンキングです。特定の物事との関係や前後関係を的確に伝えないと役割関係は困難になるケースが多くなります。

カウンセリングでも分析などを行う場合は特に重要になります。

専門知識力

コミュニケーションスキルには含まれない場合もありますが、実際には的確に状況を伝えるためには、まず自分自身が状況を理解している必要があります。これに欠かせないのが、対象とする専門知識です。

どんなにこれまで挙げたスキルが高い人でも、医学の知識が全くないのに医者になって診断することはできないように、役割関係をこなすには専門知識が不可欠です。

逆に、役割関係の中でも定型化されたパターンの反応は多くの職業・場面で見られます。したがって専門知識力を磨くことで、ある程度他の要素をカバーできる側面もあります。

 

それぞれのスキルの強化法

役割関係のスキル強化は、知識と練習によるその強化が中心です。勉強とトレーニングにより強化しやすいものと言えますし、テストなどで測ることも容易です。

ロジカルシンキングなどは多くの本などで議論されていますから、それらを参考に練習を積むとよいでしょう。

 

章末確認問題

この章で学んだことを理解できているか、練習問題で確認しましょう。

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