コミュニケーションスキルのうち、感情交流をこなすコミュニケーションスキルが一般的にイメージされるコミュニケーションスキルに近いものと言えるでしょう。
これは平たく言えば、心と心を通わせるための心の技術とも言えます。以降はこれを感情交流スキル、と呼びます。
感情交流スキル
感情交流スキルは、さらに分類すると以下のようなものに分けられます。
共感力
人間の感情を理解し感じる力です。感情を交流させるためには、喜怒哀楽を始めとした感情をわかる力が必要です。これは人の悩みなどを聞いた際に、素直に自分もその感情を感じることができるかどうか(感情移入できるかどうか)という点で共感力の強さを感じることができます。
言語表現力
感情を言語としてより伝わる形で表現する力です。あなたが好きなものを「私はコーヒーが大好きです」と表現するより、「私はコーヒーが三度の主食よりも好きだ」ということでより強い感情を表現できます。
身体表現力
表情や声のトーンなど、非言語の表現力です。同じ「こんにちは」という表現でも、無表情で低いトーンで「こんにちは」と言うのと、満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに「こんにちは」というのでは相手に与える印象は大きく異なるでしょう。
これを自由に表現できることが身体表現力が高い、といえます。
感情交流スキルはいずれも非常に大切なものです。
しかしながら感情交流スキルは、カウンセリングの場面や試験などでもなかなか教えてもらうことも指摘されることもありません。なかなか自覚・測定できないために議論に上らないことも多いスキルですが、現実世界ではこれらのスキルによって大幅に状況を改善できるケースも少なくありません。
共感力の強化方法
共感力は、人間の感情の種類を体感することが大切です。そのため、様々なシチュエーションの人の感情を疑似体験することが効果的です。
これらの方法としては、たくさんの人と会ってこれまでの半生を聞かせてもらう、悩み相談に乗ってみる、たくさんの小説・映画などの創作物を鑑賞するなどの方法が挙げられます。
言語表現力の強化法
言語表現力は、どれだけ言い回し(イディオム)を知っているかどうかが大切です。これは単に文学的な表現を知っているかということではなく、相手に伝わるためのボキャブラリーを知っていることになるので、インターネットでの流行語やバラエティ・お笑いなどのコンテンツによる表現も参考になります。
表現を伝える対象によって変わりますが、一般的な人を対象にする場合はできるだけ現代的な表現を学ぶことが大切です。言語表現力は時代によっても変わるものなので、相手に好意を伝えたいときに現代で「月が綺麗ですね。」と言っても伝わらないかもしれません。
身体表現力の強化法
身体表現力は、表現のパターンを知っていることと、的確に自分が知っているパターン通りに肉体を動かせることが必要です。自分では明るく笑顔で話しているつもりでも、実際にはうわずった声で顔がこわばっているということがあります。
ドラマや映画・お笑いなどの映像を見ながら感情表現を頭にインプットすることと合わせて、自分が話している様子をビデオに録るなどして、思い描いた通りの表現ができているかを確認することで少しずつ認識の誤差を直すような練習が効果的です。