Cl:でも親は頑固だから、そういう今の時代の流れとか、わかんないんですよね。お母さんのことは好きだからあんまり悲しませたくはないんだけど、結婚もしたくない。だからとりあえず遊んでおいてって思ってます。
Co:遊んでおくのもいいのだけど、実は30歳を過ぎると結婚できる確率が3分の1以下になるんです。だから、今すぐ結婚を真剣に考えないといけないと思いますよ。
Cl:えっ、先生もそんな風に思うんですか。
Co:あなたのためを思って、事実を伝えているのです。これはこういう統計的データがあって、
Cl:いや、大丈夫です、ありがとうございます。
・・・
—- 解釈 —-
テレビの人生相談などではよく見かけるパターンですが、カウンセリングでは通常望ましい回答方法ではありません。これはまさにクライアントのレディネスを考慮しないで事実を伝えてしまったパターンで、受け入れる準備ができていないため、どんな内容を提示しても感情的反発を受けるのみで、問題解決からかえって遠ざかってしまうケースが大半です。
相手のためを思うときでも、伝えようとする内容がクライアントの理解力・受け入れる力を超えていないかどうか十分吟味することが必要です。