ケーススタディ3-1

Cl:はい。今も彼氏がいるんですけど、なかなか上手く行かないし結婚しようという気になれなくて。婚活イベントなども参加しているんですけど、いい人がいない。だから、とりあえず今はいろんな人と遊びで付き合いながら、確かめているんです。今は5人くらいと同時につき合ってます。こういうの、先生はどう思いますか?

Co:そうだね、私はそうやって遊びでたくさんの人とつき合うのは良くないことだと思いますよ。

Cl:やっぱりそうですか。私もあんまりよくないな、とは思うんですけど、いい人がいないならたくさんの人をキープしておかなくちゃって思って。こういう場合先生ならどうしますか?

Co:まあ確かに、先生も同じことするかもなー。

Cl:やっぱり!先生私のことわかってくれますね!先生は結婚してるんですか?

・・・

—- 解説 —-

クライアントに意見を求められた場合に、その質問に素直に答えるパターンです。実存主義的に言えば、このように聞かれたらそのまま本音の自分でぶつかることが正しいとされていますが、実際の場面では今回のパターンのように、都度一方的に解決策を求められる場合が少なくありません。

今回のクライアントのように、単に自分の意見に同調してほしいだけ、といったケースも散見されます。今回は答えていくことによって、カウンセリングがクライアントのペースで進む質問会に変化してしまいました。

これではある意味クライアントは満足するかもしれませんが、カウンセラーの答えがクライアントの考えと同じだった場合には何の変化ももたらしませんし、意見が異なった場合は気分を害される可能性も高いものです。

意見を求められた場合、その真意を考えながら返答する必要があるでしょう。