ケーススタディ2-7

③ 上手く話せない=嫌われる という考えは非合理的であることを伝え、上手く話せなくても嫌われるとは限らないのだから当たってくだけることを繰り返すべきと伝える

〜〜〜

Co:Bさんはこれまでの話の中で、上手く話せないと必ず嫌われると思っているようですけど、それは非合理的ですよ。上手く話せなくても嫌いになるとは限りません。だから、上手く話せないこと自体を必要以上に気にする必要はないのです。積極的に近づいて話したら解決しますよ。

Cl:はあ…でも、みんな上手く話せなかったせいで僕に近寄ろうともしないんです。だから嫌われているんです。それに、そんなに上手く話せたら苦労しないですよ…

 

解説

論理療法的なアプローチです。クライアントの考えの中で、上手く話せない=嫌われる=近づいてはいけない というような考えがあるため、話をすることからどんどん遠ざかりさらに話ができなくなるという悪循環があると考えられます。これはイラショナル・ビリーフに該当すると言えるでしょう。

一方で通常、自分の陥っている状況がある一点の考えが不合理であるため、というのは受け入れにくいものです。

これまで学んだように論理療法でビリーフを変えさせるには批判のような印象を与えやすく困難が伴うため、リレーションができたとはいえ面接の最後にそのような指摘で締めくくることは、クライアントは「全く自分のことを理解してくれた」と思えず、次回以降来なくなってしまうかもしれません。

面接回数やシチュエーションなどを考え、このリスクを考えながら行う必要があります。