ケーススタディ1-2

Cl:娘は高校生なのですが、最近帰りが遅くて、そのことを注意しても全く話を聞かずに部屋にこもってしまうんです。朝も早く出て行ってしまうし、ほとんど会話らしい会話をしていなくて、何をやっているかわからなくて心配で。。

Co:そうなんですね。もしかしたら娘さんには何か隠し事があるのかもしれません。心当たりはありますか?

Cl:やっぱりそうですかね?心当たりと言えば、夜中に部屋から男の声がするような気がします。電話越しですが..

Co:なるほど、それは怪しいですね。お年頃ですから、もしかしたら悪い男にひっかかって、夜遊びをしている可能性もありますね。娘さんを早く守ってあげないと危ないかもしれません。早めに問いただしてみたほうがいいですよ。

Cl:そうですか…では、ちょっと今夜直接聞いてみます。

 

—– 解説 —–

この回答は、カウンセリングを学ばなかった場合の素人的なアドバイスとして起こりがちなパターンです。もちろん、どの理論にも基づいているものではありません。

こういったアドバイスで結果として改善が見込めるケースはめったにありません。この回答の問題点は、「持っている情報量が非常に少ないにも関わらず、一方的な推論や思い込みによって相手の考えを誘導していて、さらに性急なアドバイスまでしている」という点です。

テレビやラジオなどの人生相談はこのようなパターンが多くなります。

実際のカウンセリングでは、このように自分の思い込みで話を進めることには注意する必要があります。